平成29年第2回定例会 代表質問

自由民主党大田区民連合の深川幹祐でございます。会派を代表して質問を行います。

公共施設の適正配置について

深川みきひろ
初めに、公共施設の適正配置について伺います。
深川みきひろ
大田区の公共施設のうち、いわゆる箱物と言われる建築物系の公共施設は、昭和30年代から50年代にかけて整備されたものが多く、施設・設備の老朽化やバリアフリーへの対応、環境への配慮など様々な問題を抱えております。特に、区が所有する建物の延べ床面積約123万平方メートルのうち、一般的に老朽化の目安である築30年以上の施設は約80.3万平方メートル、65%ですが、その中でも築40年以上は約64万平方メートル、52%となっており、公共施設の約半数を占めています。さらには、築40年以上経過した施設のうち、学校教育系施設が約76%と、公共施設の中でも特に老朽化が進行しているため、計画的な更新が必要となります。年数の経過による老朽化では、今後約20年間の間に改築や大規模な改修が集中する時期を迎えます。また、道路や橋梁、公園施設などのインフラ系公共施設についても老朽化が進行しており、箱物とインフラを合わせて公共施設の維持管理や更新経費の増加による財政への影響が懸念されます。
深川みきひろ
少子高齢化が著しく進み、区民ニーズが高度化、多様化するなど、施設建設当時と比べて人口構成が大きく変化し、ライフスタイルもさま変わりしております。伸び続ける社会保障関係費や右肩上がりの経済発展は今後期待できないなど、今後区政運営に当たり憂慮した状況もあります。
深川みきひろ
一方、大田区の財政状況を見ますと、平成28年第4回定例会で松原区長は、「経常経費節減に向けた不断の取り組みはもとより、今後より一層進行する高齢化に対する対応や公共施設の更新など、将来の多様な行政需要に備えて基金の積み増しと区債の計画的な活用などを着実に進めることで、いわゆる『実質的な蓄え』も増やしてまいりました。その結果、区財政は、現状においては極めて良好な状態を堅持しております。」とし、財政状況は良好であるとの見解を示しております。
深川みきひろ
このような状況の中で、大田区の財政を健全な状態に保ちつつ、必要な公共施設の量と質、安全性を確保するには、公共施設の長寿命化や多機能化、集約化などといった創意工夫のみならず、施設需要や必要性をより厳しく見つめ、場合によっては用途転換や廃止を図るといった判断も必要ではないでしょうか。加えて、民間事業者と連携することで、利便性の一層の向上や多様な活用が見込める場合には、様々な角度から公民連携手法を取り入れるべきと考えております。

深川みきひろ
区は、公共施設等総合管理計画の策定に向けて、道路、橋梁、公園などのインフラを除く公共施設について、平成27年3月にその実態を「大田区公共施設白書」として取りまとめ、さらに、平成28年3月には、公共施設全体の今後の方向性を明らかにする「大田区公共施設適正配置方針」を策定し、「効果的・効率的な施設マネジメントによる区民サービスの維持・向上の実現」を目標に、五つの柱を基本的な方針として掲げました。

深川みきひろ
公共施設等は、区民の貴重な財産であり、区にとっては貴重な経営資源であります。区民のために最大限有効に活用していくためには、一つ一つの公共施設について、ソフト、ハードの両面において日々点検することから始め、点検、検証、改善が常に行われている状態にするマネジメントサイクルも確立することが必要だと思います。
公共施設等を将来世代に良好かつ適正に引き継いでいくことができるよう、各部局並びに職員一人ひとりが意識を向上させ、適切にマネジメントしていくことが重要であると考えます。計画の策定ばかりをし続けることは、公共施設への具体的な対応が遅れ、老朽化がさらに進むおそれもあります。計画を具現化していくためにも、民間事業者などとの連携を含め、公共施設のマネジメントの先導となるシンボル事業を定め、実行していく中で経験を積み、公共施設のマネジメント全体へ波及をさせていくことも重要だと考えられます。そういった意味で、最小の費用で最大の効果を出さなくてはならないわけであります。

深川みきひろ
つまり、オリンピックに向けて建設工事が集中しており、建設業界は繁忙を極めております。しかし、オリンピック後には建設不況が来るとも言われております。厚生労働省発表の一般職業紹介状況(平成29年4月分)において、建設躯体工事8.70倍、建設の職業3.96倍、電気工事の職業2.68倍、土木の職業3.23倍となっており、建設業界全体として人手不足であると考えられております。つまり、大田区の景気動向を考える上でも、公共施設整備にはタイミングが重要であると考えます。現状ベースで改築経費6000億円超と試算され、将来の財政圧迫要因であることは確実であります。そういった意味で、区財政の問題は公共施設の再整備問題であり、公共施設の再整備問題は学校改築に大きな課題があるわけであります。
深川みきひろ
ゆえに、景気が悪いときに公共投資をすることはケインズ経済学の一丁目1番地であり、そういった観点も持つべきであります。つまり、2017年から2020年初頭までの好況期には不要不急の建て替えなどの整備を行わず、基本設計や実施設計といった事前の調整を増やすべきと考えます。そして、いよいよ建設不況が発生した際に、今より廉価で高水準の技術力のときに建て替えなどを行うということであります。
深川みきひろ
これは、単に経済対策というだけでなく、オリンピックに向けた建設ラッシュにより変化するニーズを最終局面で確認し、変更することができることもポイントであります。また、その際に時間を確保することから地元の意見を聞く機会も増えるわけであります。よって、その後の状況により合わせることが区民の利益にもつながります。
深川みきひろ
そこで伺います。大田区における公共施設等の総合的かつ計画的な管理をするため、マネジメントの取り組み状況はどのようになっておりますでしょうか。
松原区長
区の公共施設等のマネジメントに関するご質問でございますが、区は、区民ニーズや中長期的な財政見通しを踏まえながら、効果的かつ効率的な公共施設等のマネジメントを進めていくこととしております。そのためには、既存の土地や建物を最大限に有効活用することが重要であります。老朽化している施設の更新につきましては、これまでの改築を主体とした整備のほか、複合化や長寿命化等を積極的に検討しております。また、ファシリティマネジメントの考え方に基づき、建物本体の適切な維持保全に努めながら、適正な公共施設の管理・運営を行っております。公共施設等のマネジメントにおきましては、このような計画的な視点からの取り組みを積み重ねていくことが重要であります。今後は、区民サービスの維持・向上を図るため、インフラを含む公共施設全体について、総合的かつ計画的な管理を行っていくための基本的枠組みを示すことを目的に、「大田区公共施設白書」、「大田区公共施設適正配置方針」及び「大田区公共施設等マネジメント今後の取り組み」をあわせて位置づけた、「大田区公共施設等総合管理計画」をもとに、地域ごとの将来のまちづくりを見据えた公共施設の整備を推進し、効果的、効率的なマネジメントを進めてまいります。個々の施設ごとの改築・改修や機能更新などの具体的な計画につきましては、実施計画や公共施設整備計画などでお示しして、計画的かつ速やかに取り組んでいるところでございます。

区有施設の利活用に関して

深川みきひろ
例えば、池上駅の建て替え工事において地元まちづくり協議会と連携し、地域の発展を進めながら、駅という利便性のあるものを合築する計画であります。このタイミングでまちのあり方を議論することにより、地域における公共施設の再配置をすべきであります。従前より駅近の保育園に人気が集まっております。今回の計画では園庭のある駅ビル保育園ができる計画であると発表がなされました。また、駅ビルに池上図書館を移設し、学生さんだけでなく、買い物や移動のついでに子育て世代も使いやすい図書館を整備すべきと考えます。
深川みきひろ
少子高齢化社会を見据え、駅を中心としたまちづくりの必要性は国も既に示しているところであり、中心核としての駅の重要性かつ駅舎に図書館などの公共施設を置き込むことで、利用者の利便性向上、地域活性化、まちの回遊性の向上、新たな情報発信拠点として位置づけるべきであると考えます。そういった意味で、複合化、多機能化は重要であると考えます。その公共施設のあり方は多岐にわたった検討をすべきで、現在ある18特別出張所のあり方についても、過度に固定的に考えるのではなく、必要に応じての再編成も検討すべきと考えます。
深川みきひろ
今年策定した「おおた都市づくりビジョン」では、私たち議会からも都市整備委員会の正副委員長がメンバーとして入りました。私も委員の一人として策定に意見を述べさせていただきました。

深川みきひろ
例えば、「まいせん」といったように、洗足池も鳳凰閣の整備、洗足池公園の自然、そして毎年5月の春宵の響といったように、都内でも貴重な新緑のにおいを感じられるところが洗足池であります。その鳳凰閣の整備では既存の博物館機能や勝海舟記念館といった固定的な概念ではなく、明治維新の時代を象徴することが学ぶことができる文化発信の拠点となるべく努めてほしいと思います。また、池上本門寺の松濤園は、勝海舟と西郷隆盛が江戸城無血開城について話し合われた場所の一つとされております。そういった意味でとても縁があるところであります。また、馬込にある郷土博物館も、大田区に伝わる資料の展示保存という従来の機能に限らず、大田区の歴史文化が体験できる施設として再整備することも検討すべきと考えます。

深川みきひろ
そういった意味で「まいせん」というキーワードに焦点を当てたとしても、出発も到着も駅となるわけであります。そういった意味からも、駅を中心としたまちづくりというものを再度認識し、鉄道事業者との連携を図るべきと考えます。また、区外からの来街者を連れてくるのも鉄道であり、沿線への観光PRをあわせて行ってもらうことが、双方にとってのメリットとなります。

深川みきひろ
また、臨海部のまちの将来イメージでは、京浜運河沿いの夜景が描かれ、今までの大田区とは少し違うというように思える部分が多くありました。そういった意味で、この「おおた都市づくりビジョン」は、これからの大田区を見つめる上で重要な方針であると思います。これらを踏まえ、複合化によって生じた跡地をどう捉えるのか、つまり利活用も大事な視点であります。

深川みきひろ
東京都は、「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」が平成28年3月に発表されました。現在、この計画において優先整備路線に選定されなかった都市計画道路について、あり方が検討されております。いずれにせよ、都市計画道路の拡幅予定地を必要に応じて先行取得することにより、円滑な事業実施を推進するとともに、拡幅対象地に生じる空き家対策も進めるべきと考えます。また、東京都が進める電線の地中化についても地域事情を勘案して進めるべきと考えます。この先行取得した土地については、地域で不足している資源の補助を行うことも検討すべきであると考えます。
跡地の利活用は地域住民との十分な協議が必要でありますが、状況に応じて売却、定借、また、共同開発などの発想も重要であると考えます。ゆえに、複合化の置き込みについては近視眼的ではなく、周辺エリア全体を見渡した上で、公共施設全体の配置計画や将来における人口構成の変化なども考慮して、総合的な観点で行うことが重要であると考えます。

深川みきひろ
そういった意味で、周辺全体を見渡し、地域の魅力を発信できる環境をつくり、地元企業をはじめとする民間企業が潤い、行政も最小の経費で最大の効果を得ることができて、地域が活性化し、利便性が向上し、住みよいまちになることで住民も喜ぶことがまちづくりの理想形であると考えます。こういった公共施設の再配置を行いながらも、現在ある機能の拡充を進めるべきと考えます。

深川みきひろ
また、障がい者雇用について積極的に行うべきであると繰り返し述べてまいりました。平成25年4月より障害者優先調達推進法が施行されたことにより、国や地方公共団体等は、障がい者就労支援施設等から優先的に物品等を調達するよう努めることとされております。物品調達だけにとらわれず、こういった障害者優先調達推進法などを一つの事例として、既存の区有地を活用した公共施設の整備の中でも障がい者雇用に向けた取り組みについて多角的に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

松原区長
区有施設の利活用に関するご質問ですが、少子高齢社会が今後さらに進展し、社会保障費の増大が確実視されている中、限られた経営資源のもと、将来の人口構成の変化などを的確に捉えながら、持続可能な区政を進めていかなければなりません。こうした中、区民の貴重な財産であります区有施設の活用に当たりましては、利便性の向上や多様な活用が見込めると判断できる場合には、民間や国、都との連携・協働も一つの手法として取り入れるなど、多角的な視点から検討を行ってまいります。今後も、地域ごとの将来のまちづくりを見据えて、地域のニーズを的確に把握・分析し、施設重視から機能重視への転換による施設の集約及び有効活用などにより、効果的、効率的な施設整備を通じて、区民サービスの維持・向上を推進してまいります。

児童相談所の移管について

深川みきひろ
次に、児童相談所の移管について伺います。

深川みきひろ
大田区は児童相談所移管に向けて取り組んでおりますが、人材の確保・育成、施設整備、財源と課題は山積しております。また、東京都とは移管なのか、設置なのかということで議論が高まっております。我々は、現状をより昇華させるための児童相談所の拡充を目指すべきであり、移管すべきと考えます。我々大田区議会においても、今年の3月に明星大学の奥田先生にお越しいただき、元江東児童相談所所長としての見解やこれからの児童相談所の責務についての勉強会を開催いたしました。その際、児童相談所ができたときから子どもたちとの1対1の関係が始まり、ならし運転期間だからこの程度の段取り不足はしようがないなどといったことはあり得ないのであるとのお話を伺いました。そういった意味で、急いで設置準備するというよりも、しっかりと丁寧に準備するべきであると改めて認識をいたしました。

深川みきひろ
その研修会を踏まえ、我が会派では今年3月末に熊本市の児童相談所を視察してまいりました。中核市として全国3番目に児童相談所を設置し、現在は政令指定都市として児童相談所を運営している市であります。熊本市は人口が74万人で、人口72万人弱の大田区とは同規模であり、参考にすべき点が多くあると感じました。また、子どもたちと接遇する相談室の数も、昨年の震災の影響は少なからずあったとしても、当初の想定よりも不足してしまっているとのことでした。そういった意味で、より多くの児童相談所を実際に訪問し、意見交換をすることは特に重要であります。

深川みきひろ
では、そもそも児童相談所は、なぜ大田区に移管されるべきなのでありましょうか。それは児童相談所が区内にあれば、今まで以上に連携を深めやすくなることであると考えるからであります。

深川みきひろ
まずは、発見する機能であります。学校などでの発見、地域での発見とより一層の連携が進みます。そして、地域全体で行っている行事や祭礼、お会式などの伝統文化などで多くの人たちに触れ合う機会が増えるのが大田区の特徴であります。
続いて、つなぐ機能であります。大田区の青少年健全育成担当や地域力推進課、スポーツ推進課、子育て支援課、子ども家庭支援センター、教育委員会などとつないでいくためにも、その各部が連携することが重要であります。

深川みきひろ
そして、最後は切れ目なくであります。これは各部が連携して進めたとしても、そういった司令塔機能は児童相談所が持ち続けるということであります。そのためにも、人事交流をより一層進めていくべきであると考えます。

深川みきひろ
そこで伺います。大田区に児童相談所を移管するメリットについてどのようにお考えか、また、今後の方針について区長の見解をお示しください。

松原区長
児童相談所を区に設置するメリット及び今後の方針についてでございますが、住民に身近な基礎自治体であります区が児童相談所を設置することで、保健所、保育所、学校、福祉事務所などの区の関係部署との連携に加え、地域の警察や医療機関など、関係機関との連携がより強化され、緊密な協力が図れます。このことにより、児童虐待相談をはじめとする様々な相談に対して、これまで以上に迅速かつ的確な対応が可能となるとともに、地域の実情を踏まえた幅広い支援の提供が可能になると考えております。児童相談所は、子どもの利益を最優先に考え、支援を行う行政機関であります。区が主体的に児童相談行政を総合的に担い、切れ目のない一貫したきめ細やかな支援を実現できる児童相談所の設置に向けて、全庁を挙げてしっかりと取り組んでまいります。

青少年にスポーツ等多様な体験の機会などを提供することについて

深川みきひろ
今年で66回目となる大田区子どもガーデンパーティーが開催されました。戦後間もなくの昭和25年に始まったイベントで、戦後の混乱期、休日を親子で過ごす機会に恵まれない商店など、自営業者の子どもたちに遊び場を提供するということが趣旨でした。現在では、「身近な環境の中で、子どもたちが地域の人々と触れ合う機会をつくるとともに、地域のコミュニティづくりのきっかけにすることを目的としています。」とされております。その他、子どもたち向けのイベントとして、ヤングフェス―Oh!!盛祭―などがあります。

深川みきひろ
また、青少対の皆さんへの仕事が一括集中している現状を見ると、社会情勢が変化した今、今後に向けて様々な角度から再検討を進めるべきと考えます。小学校入学前の幼児期、学齢期、中学卒業後の成人期とあるターゲットとして、どの子どもの年代であるのか、現在区内10か所で行われ、他の会場に移動することを前提としていない設計となっております。こういった地域の人たちで考えられたものとしての伝統は意味があります。

深川みきひろ
しかしながら、毎年変わらないよさとともに、小学校高学年になるにつれ、例年どおりというところから脱却されないことから、そもそも会場に行かなくなるということも起きております。今後の検討として、例えば、いつものしているスポーツだけではなく、もっと幅広く体験するような形も考えられると思います。つまり、新スポーツ健康ゾーンとして位置づけたふるさとの浜辺公園ビーチバレー場の活用や、大田スタジアム、大森スポーツセンター、大田区総合体育館といったスポーツに親しむことも視野に入れるべきと考えます。そういった機会を提供すべきであると考えます。

深川みきひろ
また、その際、幼児期、学齢期といった既存のガーデンパーティーのターゲットにこだわらず、高校生相当の成人期の子どもたちも視野に入れるべきであります。その際、野球やソフトボール、サッカーやバスケットボールなどは1人ではできず、チームプレーであることから、身近に同じスポーツに関心のある仲間がいれば日々できますが、引っ越しや学校の違いなどから、なかなかそういう状況にない子どもたちも多くいます。スポーツに取り組みたいと考えているが、その環境が得られない子どもたちにもスポーツができる環境を提供することも必要であると考えます。

深川みきひろ
また、そういった際に、プロスポーツ選手に来ていただき、指導を受けられることがあれば、より一層子どもたちにとって参加する機運醸成に努められると思います。そのときに、オリンピック種目でもマイナー種目の体験や、パラリンピック種目の体験といったこともスポーツ健康都市宣言をした大田区だからこそ行うべきであると考えます。例えば、ふだんバスケットボールをやっている子どもたちが車椅子バスケットボールを体験してみるなど、同じスポーツに見えて違いがあるということがわかると思います。そういったことが、障がいのある人、ない人の分け隔てをなくする本来のバリアフリーであると思います。そして、そういった機会を利用して、スポーツと健康といったテーマだけではなく、児童虐待の防止や薬物乱用防止といった一般的に募集しても青少年に伝わりにくいテーマについての広報を行うべきと考えます。

深川みきひろ
そういった意味で、単にガーデンパーティー、各イベントを一事業課のイベントにせず、様々な部局連携へと派生させるべきと考えますが、いかがでしょうか。区長と教育長の意気込みをお聞かせください。

松原区長
青少年にスポーツ等多様な体験の機会などを提供することに関するご質問ですが、次代の社会の担い手である青少年の健やかな成長は、活力があり、暮らしやすい地域社会の実現の礎をなすものでございます。大田区子どもガーデンパーティーやヤングフェス―Oh!!盛祭―などでは、中高生がリーダーや補助者として事業に協力したり、みずから企画担当者や出演者として活躍しているケースが見受けられます。こうした活動は、異年齢、異世代の人々と触れ合うことや、自分で考え、行動する機会を提供するなどの意味から意義あるものでございます。一方、青少年の居場所は、単に場所を提供するだけではなく、幼児期から成人期に至る子どもたちがみずからの意志で積極的に参加してみたいと思うことが重要であり、スポーツイベントは、そのきっかけとして有効な手段と言えます。青少年がスポーツを体験することや区が最新の社会課題に対する啓発を行うことは、青少年にとって貴重な体験になると思います。地域で青少年を育成していくために、区が現在取り組んでいる事業の見直しを進めてまいります。あわせて、新スポーツ健康ゾーンに位置する施設を利用したスポーツイベント等の実施によって、より多くの青少年が集まる機会を提供するなど、新たな枠組みの事業構築を検討してまいります。各部局の連携のもと、最も効果的な手法を考えてまいります。

津村教育長
青少年にスポーツなど、多様な体験の機会を提供する際の区長部局との連携についてのご質問にお答えいたします。

津村教育長
青少年がスポーツなどの様々な地域イベントを通じて多様な体験を積み重ねることは、健全育成にとって大変重要であるばかりでなく、地域への愛着を育み、地域の構成員としての自覚を促す貴重な機会となるものでございます。また、地域イベントは、子どもたちがスポーツなどを始めるきっかけづくりとなるばかりでなく、新しい仲間との出会いなど、人間関係を広げるよい機会にもなると考えております。一方、様々な地域イベントに興味を示さず、参加しようとしない子どもたちも存在しております。青少年の健全育成を推進するためには、参加しようとしない子どもたちを引きつける工夫に知恵を絞ることが何よりも重要でございます。教育委員会といたしましても、区長部局と連携し、創意工夫を凝らすことで、参加する青少年の裾野を広げる役割を果たしてまいりたいと考えております。

大田区職員採用方針について

深川みきひろ
大田区職員採用方針について伺います。

深川みきひろ
平成7年から行われている定数適正化計画によって2808人の増、5356人の減となり、合わせて2548人の減となりました。民間でできることは民間でという観点から、民間委託を進めて事務効率化を進めていることは評価ができます。しかしながら、大田区民の人口は平成7年に比べて8万人の増となり、いっときの下降トレンドから上昇トレンドへと平成12年から変化をしてきております。そういった観点からすると、現在の民営化に伴う下降は是としたとしても、全ての事務事業において実員数を減らすべきではないとかねてより主張してきました。つまり、必要に応じて増やすべきであるのです。

深川みきひろ
その際、過去の質疑において、専門職職員の中でも建築職や土木職といったところに焦点を当てておりましたが、福祉系にも当然目を向けるべきであり、質問をさせていただきます。
深川みきひろ
Ⅰ類福祉職は、平成19年度はゼロ人でありましたが、ここ10年で平均すると6.5人を採用しております。しかし、ケースワーカーなど専門的な業務については、事務職が行うよりも、福祉職の専門的知見が活用されるべき職場であると考えます。そういった観点からすると、これから福祉職の採用を増やし、ケースワーカーについては、例えば、事務職2に対して8の福祉職といった転換を図るべきと考えます。特に近年は、事務職の新規採用がケースワーカーにそのままなる例が増えてきており、その職員の負担が増大するだけではなく、対区民に対しての相談力、指導力が不足している例が増えています。適宜適切な指導を行うためにも、専門職職員の活用を検討すべきであります。
松原区長
大田区職員採用方針についてのご質問でございますが、まず、専門職につきましては、区はこれまで行政需要に応じて、計画的に採用を行ってきました。福祉職に関してですが、少子高齢化や核家族化の進行など、地域社会を取り巻く環境の変化に伴い、区民が抱える福祉ニーズは多様化、複雑化しております。福祉職の持つ専門的な知識や経験の必要性が増しており、現在、必要数を着実に採用しております。また、福祉職Ⅰ類は、従来の採用方式に加えて、今年度は経験者採用試験を実施いたします。経験者採用試験は、民間企業等での有用な職務経験を有する人材を、幅広い年代層において確保することにより、年齢構成の均衡を図るとともに、高度化、複雑化、専門化する行政サービスに対応することを目的として、特別区で統一して実施する採用試験でございます。これにより、豊かな経験を持つ福祉職を幅広い年齢層から採用できることとなり、より困難で複雑なケースにも対応できるものと考えております。今後も、専門的な知識、能力を持った福祉職の採用を継続し、事務職との連携も強化しながら、充実した相談支援体制を構築してまいります。

深川みきひろ
また、児童相談所移管に向けた準備として、平成29年度から特別区のⅠ類採用試験を実施することになりました。今までは各区が必要に応じて心理職を採用してきましたが、採用予定数が多くなったことから、特別区での採用試験となり、23区中18区で36名程度の採用を予定しております。

深川みきひろ
また、事務、土木、建築といった一般的な区分では、昭和61年4月以降生まれといった受験資格とは違い、幅を大きく持たせ、昭和53年4月以降生まれのように拡大させております。

深川みきひろ
今まで採用がとても少なかった心理職が一躍脚光を浴びて、専門職職員の活用に向けた方向になったことはとても評価するべきことであると思います。大田区では、非常勤心理職の方々が子ども家庭支援センターや教育委員会教育センター、各学校でのスクールソーシャルワーカーとして活躍をしていただいておりましたが、そういった方々の常勤化をすることにより、一層の連携強化が進むものと考えられます。特に、大田区と大田区教育委員会と大きな枠組みとして二つに分かれていたことから、人事交流がなされることはほとんどありましたでした。そういった意味で連携を進めるべきと考えます。

松原区長
心理職の採用及び配置に関するご質問ですが、心理職は、児童施設及び福祉施設等において、子どもや保護者に対する面接を行い、検査による心理診断を行う専門職であり、区には管理職を含め2名の常勤職員がおります。現在、児童相談所の設置に向けた検討の中で、心理職の確保が課題となっております。今後、児童相談所の設置に向けた対応に加え、教育委員会など他の部署での必要性も調査し、大田区全体で総合的にバランスよく配置できるよう、計画的に採用してまいります。
深川みきひろ
次に、特別区人事委員会での採用を行うメリットについてです。試験が一括であるので、優秀な人材が集まりやすく、採用する側にとってのメリットと、採用される側にも各区では試験回数が多くなるなど、負担が大きくなると思います。例えば、先ほどの心理職の場合、昭和53年という上限だった場合、今年で39歳になる年となります。下限は大卒でありますので23歳になる年となります。この場合、16年の差がありますが、採用時の扱いは原則同じとなります。そういった意味で、事務や建築、土木といった区分のように経験者採用を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
松原区長
心理職の経験者採用に関するご質問でございますが、児童相談所の安定した運営を確保するためには、専門的知識に加えて豊富な経験を持つ心理職の配置が望まれます。そのため、心理職の採用に当たりましては、経験者採用方式も活用できるよう、関係機関に要請してまいります。
深川みきひろ
現在、特別区人事委員会では、行政系人事制度の改正を協議しております。その中で、現行の1、2、3級を廃止し、新1級、2級を設置するとしております。しかしながら、実態は、1級職主事、2級職主事の統合、3級職主任主事の概念を変え、新2級の主任とし、係長に自動昇任する新2級というものになります。
しかし、これには大きな課題があります。まず、現行3級として主任主事試験に受かって主任主事となっている者に対して、係長に昇任したくないからという理由で新1級になり、その後、やはり係長になろうとした場合には、再度新2級の試験を受けることとなると考えられるわけであります。また、その後、係長にならないつもりで1級になった職員がやはり係長になろうと思った場合に、どのような取り扱いになるかなど、課題があります。また、新2級になったとしても面接を導入し、家庭の事情などで昇任することが難しい場合には、その状況を考慮すべきであり、各区事項にすべきと考えます。
深川みきひろ
現行制度における勤務成績で、一般職員のAである6号昇給、Bである5号昇給を重ねるスーパー主任主事、スーパー課長補佐など、上位職級に必ずしも行かないが、サボタージュではなくその階層に特化した職員がおります。この場合も、給料のベースカーブはある一定のところでなだらかになり、最後は昇給がとまってしまうものとなっております。そのスーパー職員でなくては到達できない俸号級のところには、各区事項としてベースカーブを上げる変化をつけるべきと考えます。また、係長のなり手不足解消のために自動昇任システムを導入しようとしていることが考えられますが、無理やり昇任させることが解決ではなく、昇任意欲の醸成をすることが重要であります。
深川みきひろ
そう考えるのであれば、新2級の主任と新3級の係長の給料表のベースカーブを乖離させ、給料面でのメリットをしっかりつくるべきであります。また、現行主任主事には、係長昇任しない1級と昇任する2級という選択制ではなく、旧制度残置の別枠の2級として対応しなくてはならないと強く求めておきます。しっかりと交渉すべきと考えます。
松原区長
行政系人事制度の改正に関するご質問でございますが、現在、特別区において係長職の適正な確保や職務・職責の明確化、メリハリのある給与制度の構築といった観点から検討が進められており、その中で、新2級職は、「係長職への昇任を前提とした職」としての位置づけが想定されています。今回の制度改正が導入されれば、各区は係長職昇任を見据えた人材育成が可能になり、職員にとりましても昇任に向けた準備の期間が確保されます。係長職への昇任は、職務・職責が大きく変わることから、昇任時期や配置先等については、職員個々のライフイベント等の状況を考慮することが必要であると考えております。そのため、昇任に当たりましては、面談などを活用して、それぞれの事情に応じた配慮をしてまいります。区といたしましては、これまでいただいた様々なご意見や社会情勢等を勘案し、職員の持つ能力を最大限発揮できるように、計画的な人材育成、適材適所の人材配置に取り組んでまいります。

産業施策について

深川みきひろ
続いて、産業施策について伺います。

区内企業の情報把握について

深川みきひろ
大田区は中小企業、とりわけ町工場のまちと言われております。大田区工業統計によりますと、区内工場数は、ピークの昭和58年には9190、うち従業者4人以上が5120、平成20年には4362、うち従業者4人以上が2180、平成26年には従業者4人以上が1413と減少の一途をたどっております。

深川みきひろ
そうした中、区の産業施策の基礎データとなっていた国の工業統計調査では、平成20年以降、従業者数3人以下の工場数が把握されていないため、企業実態を正確に反映できていない状況があります。区は、平成26年に「大田区ものづくり産業等実態調査」を実施し、平成24年「経済センサス活動調査」の結果を踏まえ、平成26年12月現在の工場数を試算しました。その結果、3481事業所という数値が導かれ、現在もなお、全数の確定値としてはこの数値が用いられております。以降、小規模町工場の廃業が多くのメディアに取り上げられ、数の減少が問題視される中で、現在の詳細な区内工場数は把握できていない状況にあります。

深川みきひろ
一方で、区内企業の実情は、こうした統計的数値でははかれないものもあるのは事実であります。私は、平成24年の決算特別委員会で、企業情報の収集とデータベース化について質問をさせていただきました。区内企業の状況把握、受注獲得に必要となる基礎データの把握は、産業振興施策を推進する上で欠かせないことであります。

深川みきひろ
そこでまず、区内企業の状況把握について区としてのお考えをお聞かせください。

松原区長
区内企業の情報把握についてのご質問ですが、議員お話しのとおり、区内企業の状況把握、受注獲得に必要となる基礎データの把握は、産業振興施策の推進において欠かせないものであり、重要な情報資源と考えております。大田区産業振興協会では、平成28年度に受・発注あっせん相談や大手企業への受発注開拓を担う「ものづくり連携コーディネーター」制度をスタートさせました。本制度では、従前の受発注相談員が行っていた区内企業の訪問調査を拡充し実施しております。得られた情報についてはデータベース化し、区内企業の受注獲得につなげております。一方、国においては、地域経済分析システム、通称「リーサス」が構築されております。いわゆるビックデータを「見える化」することで、地域経済における産業構造や企業間取引の実態を把握することが可能となります。区といたしましては、こうした新たなデータにつきましても積極的に活用し、産業振興施策充実・強化を図るよう検討を進めてまいります。

工場アパート等の産業支援施設について

深川みきひろ
大田区は工場アパートによる産業集積の維持に取り組みました。私は、この取り組みは、区のものづくり産業の維持・発展のために重要であると考えております。区内には、本羽田二丁目工場アパート、本羽田二丁目第二工場アパート(テクノWING)、大森南四丁目工場アパート(テクノFRONT森ケ崎)、東糀谷六丁目工場アパート(OTAテクノCORE)の四つの工場アパートをはじめとした施設が充実していると思っております。これらの施設を区は産業支援施設と呼んでいますが、産業支援施設の入居者戦略などについて、1度立ちどまって見直しをすべきと考えます。

深川みきひろ
工場アパートで最も新しいOTAテクノCOREの設置目的は、大田区東糀谷六丁目工場アパート条例によりますと、「高付加価値を生み出すものづくり産業の集積、維持及び発展並びに地域産業の活性化に寄与する」となっており、地域経済を牽引する優良企業の入居を想像させます。テクノCOREは民間事業者により建築された工場アパートで、満室の状態が続いていると聞いております。

深川みきひろ
各産業支援施設の入居企業は、ここで成長し、巣立ち、新天地で永続的に操業する構想を抱いて入居したものと思います。しかし、使用期限20年を満了し、その後も移転できずに和解に及ぶなど、必ずしも入居者の状況が右肩上がりとは思えない工場アパートの実態もあります。工場アパートにどのような企業を入居させ、どのような形で産業集積の維持を図っていくのでしょうか。

深川みきひろ
一方で、民間ディベロッパーなどでは、新規事業の検討の中で、工場アパートに興味を示しているとの話もあり、工場アパートには市場性も生まれてきているようであります。区は、こうした機運を捉えて政策の検討をしていく必要があると思います。

深川みきひろ
区内の企業の状況を踏まえ、工場アパートの産業支援施設の役割とあり方について、今後見直しを検討していく必要があると考えますが、区の見解をお聞かせください。

深川みきひろ
大田区内では町工場の集積がなされ、日本でも類を見ないほどの発展を続けていると言われております。これは、既存の工場がしっかり頑張るとともに、新規創業の企業がその輪の中に入り、ともにリノベーションをし続けていくことを支援していかなくてはならないと思います。そのためにも、第2、第3の下町ボブスレーのような注目される施策を次々に打ち出していくような体制強化も求めておきます。そして、マスコミなどに継続的に取り上げられ、ものづくり大田区の名が引き続き維持する施策の充実を求めます。
松原区長
工場アパート等の産業支援施設についてのご質問ですが、区営の工場アパートにつきましては、操業環境の確保、新分野進出支援、高付加価値ものづくり産業の集積など、整備時期の課題に応じた設置目的を設定し、運営してまいりました。一方、区内の住工混在地域では、工場から住宅等への土地利用の転換が進む中、今後も区内で操業し続けたいと考えている企業が多く存在します。これまで区では、ものづくり工場立地助成や、貸工場・工場用地マッチング事業等を通じ、住工混在地域での操業を促進してきたところですが、操業継続のニーズに応えるためには、これまで以上に周辺環境への配慮が求められ、新たな施策の必要性が高まっております。区といたしましては、住工混在地域や羽田空港跡地も含めた臨海部におけるものづくり産業の立地に関する総合的な検討とともに、工場アパート等の産業支援施設の今後のあり方も見直す時期に来たと考えております。

羽田空港跡地について

深川みきひろ
羽田空港跡地について伺います。
深川みきひろ
羽田空港跡地第1ゾーンは、羽田空港の沖合展開事業及び再拡張事業の結果として発生した跡地の一部に位置づけられ、その土地利用については検討、協議が長年にわたり行われてきました。「羽田空港跡地第1ゾーン整備方針」では、五つの基本方針、三つのゲートウェイ、七つの重点プロジェクトを通じて、地域の活性化とともに、日本の成長戦略への貢献に向けた整備コンセプト等を示しております。
深川みきひろ
大田区では、すぐれたノウハウとアイデアを有する事業者との官民連携事業を通じて、「新産業創造・発信拠点」を形成するとともに、地域経済の活性化や我が国の国際競争力強化への貢献など、第1ゾーンの魅力向上を通じた区ならではの地方創生を実現していくために、昨年10月31日に「羽田空港跡地第1ゾーン整備事業(第一期事業)」の募集要項を公表し、整備・運営事業者を募集いたしました。今年の3月に提案が出され、5月19日に事業予定者が決定、6月1日には事業予定者の提案概要が公表されるなど、いよいよ本格的なまちづくりが始まり、まちの姿が見えてきました。
深川みきひろ
今回、2グループから提案応募があり、鹿島建設が代表となるグループが事業予定者と決定したと発表されましたが、事業予定者の提案内容についてはどのようなもので、大田区はどのように評価しているかを伺います。
松原区長
空港跡地の事業者公募について、提案内容とどのように評価したのかというご質問ですが、まず、今回の二つの事業者の提案は、いずれも自己資金でまちづくりを進めるとした官民連携事業の枠組みがしっかり構成されていると事業者選定委員会において評価されております。鹿島建設を代表とするグループの提案内容は、先端産業では「健康医療」、「ロボティクス」に加え、とりわけ国家戦略特別区域の自動走行サンドボックス分科会の取り組みを意識した「先端モビリティ」の三つの分野を展開し、羽田に企業を集積させ、多様なマッチングによる新産業の創造と発信を図るものでございます。また、文化産業では、立地を活かし、インバウンドを意識した事業をはじめ、多様な集客が図れる事業が盛り込まれております。共通事業としては、地域の安全・潤い・憩い・にぎわいを創出するエリアマネジメントを実施するとともに、交通結節機能の強化として天空橋駅との地下接続を整備するとしております。事業予定者からの提案は、跡地の立地を活かし、国内外からヒト・モノ・情報を呼び込み、日本のものづくり技術や日本各地域の魅力を発信する「新産業創造・発信拠点」の形成を目指すのにふさわしいすぐれたものと選定委員会において高く評価され、区も同様の評価をしたものでございます。また、先端産業と文化産業の融合を意識した施設コンセプトなども評価できます。このような評価を踏まえ、区といたしましても事業予定者としっかり連携して、引き続きまちづくりを進めてまいります。
深川みきひろ
また、今回の第一期事業は、事業予定者と50年間の定期借地権を締結し、運営すると聞いております。提案された事業コンセプトには、「50年にわたって盤石な運営体制・財務基盤を構築し、永続的な成長を果たす」とありますが、長期にわたる事業に対し、大田区としてはどのようにかかわっていくのか、見解をお示しください。
先に述べた産業施策と大きくかかわる羽田空港の跡地について、今後も引き続き区内企業などの意見を広く聞き、より一層大田区の発展に寄与できるように継続して取り組むことを求めます。
深川みきひろ
あわせて、自動走行サンドボックスといった新しい取り組みの中心地として、羽田空港本体と羽田空港第1ゾーンが連携していくことを求めます。
大田区の産業にとって羽田空港があり、そして京浜港と隣接する立地を活かし、周辺にはバックヤードとしての倉庫をはじめとする物流拠点として位置づけていかなくてはなりません。そういった意味で、大田区には産業が発展する素地が大いにあります。それを活用するためにも用地が必要となるわけであります。
松原区長
空港跡地の長期にわたる事業に区としてどのようにかかわっていくかというご質問でございますが、空港跡地のまちづくりは、議員お話しのとおり、官民連携で進める長期間の事業でございます。当然のことながら事業予定者には、提案された事業内容を50年間にわたりしっかりと展開していただく必要がございます。したがいまして、区といたしましては、事業期間を通じて、本事業の目的に沿った事業が実施されるよう、今後事業契約締結等の諸手続きを適切に進めるとともに、様々な場面で事業予定者としっかりと連携をとり、区内に各種の波及効果が見込まれる事業や国内外への区の魅力発信などに取り組み、空港跡地の持つ立地の強みが最大限活かされるまちづくりを責任を持って進めてまいります。

中央防波堤埋立地の帰属問題について

深川みきひろ
中央防波堤埋立地の帰属問題について伺います。
深川みきひろ
大田区議会が全島帰属を求める決議を全会一致決定してから1年あまりが経過をいたしました。大田区議会は、決議において「早期解決を図るため、まずは東京都知事への調停申請を速やかに行うべき」と主張しております。これは、大田区が最高裁判所の示した境界確定基準に即した法的正当性のある論拠、そして科学的な証拠を備えているからにほかなりません。
深川みきひろ
こうした状況にもかかわらず、大田区はもっともっと前になぜ進まないのでしょうか。この間、43年目にして初めて正式協議を行ってきたという経過は評価いたします。しかし、もはや協議によって解決できる可能性は限りなくゼロになっているのではないかと考えます。

深川みきひろ
自由民主党大田区民連合は、定例会のたびに早期解決を求めてきました。帰属問題の早期解決を求める72万区民の熱い思いに応えるためにも、ここではっきりと申し上げたいのであります。帰属問題の早期解決を求める議会質問は、私のこの代表質問を最後にしていただきたいと思います。

深川みきひろ
松原区長、スピード感を持って、早期解決に向けた次のステージに進むための道筋をお示しください。松原区長の力強い決意を伺いたいと思います。

松原区長
中央防波堤埋立地の帰属問題に関するご質問でございますが、昨年4月から、江東区との正式協議を重ね、法的正当性と客観性を有する大田区の論拠を丁寧に主張してまいりました。しかし、いまだ両区の主張は平行線をたどり、自主的な解決の糸口が見えません。こうした状況を踏まえ、早期解決に向け、速やかに協議のレベルを上げて、トップ同士による確認の場を設けるなど、迅速かつ的確な対応を行ってまいります。両区の協議による自主的な解決が困難であると判断した場合には、速やかに調停の手続きを進め、解決を図ってまいります。その場合には、これまで以上に区議会の皆様との連携を強化させていただきながら、区民の皆様、区議会の皆様、そして行政とが一体となって、まさにオール大田で取り組んでまいります。一日も早い解決に向け、引き続き、ご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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