平成24年第3回大田区議会定例会決算特別委員会 教育費

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◆深川 委員 自由民主党大田区民連合の深川幹祐でございます。
 本当は30分ぐらいと予定していたのですが、産業経済費で尺をとってしまいましたので、ちょっと短く質問をさせていただきたいと思います。
 我が党の総括質問でも触れさせていただきましたが、さざなみ学校について、もう一度、質問をさせていただきたいと思います。
 館山さざなみ学校は、養護学校としての歴史が、長くあり、23区では区が設置しているところが今少なくなっていて、参加する子どもたちが減少しているのが、現状であると思っております。
 現在、館山さざなみ学校と、同種の施設・学校は、23区でどうなっていますでしょうか。
 また、校長や副校長、そして教員資格を持っている寄宿舎指導員をはじめとする教職員の数を教えてください。教育職の公務員ですので、東京都の費用、つまり都費と区費を合わせてお願いしたいと思います。
◎水井 学務課長 館山さざなみ学校と同様に、肥満やぜんそく、偏食、病虚弱などの課題を抱える小学生が親元を離れて寄宿生活をしながら健康の改善を目指す学校は、大田区のほかに中央区、豊島区、板橋区、葛飾区の4区が設置しております。
 このうち、特別支援学級に位置づけられる健康学園と呼ばれるものが2区、館山さざなみ学校と同じく特別支援学校に位置づけられるものが2区となっております。
 館山さざなみ学校の現在の教職員数でございますけれども、都が人件費を負担している教職員が24人、区職員は6人、区の非常勤職員が8人の合計38人でございます。
◆深川 委員 現在も、先般の質問でご答弁いただいたように、子どもと職員の数が同数であるということが一つ課題であると思っております。
 一つ目の課題は、生徒の減少であります。ピーク時の昭和58年には119名の生徒がいたそうですが、現在では28名ということで、少子化の影響もあると思いますが、激減をしております。また、視察に自民党として行きましたけれども、使っていない教室や寄宿舎なども多くありました。この原因として何かという質問を現地でさせていただいたところ、さざなみ学校を知らない大田区の先生が多いということもあり、該当する生徒に声をかけ切れていないというのが一つの原因、要因であるとも聞いております。もう一方で、少子化で親が子どもを手放したくないということから、行かせたいが遠いので行かせられないというのもあるそうだということでありました。人数が少ないことから、社交的な子は多くの友達とすぐ仲よくなれますが、不得意な子は、よくない人間関係が続いてしまうということが、一つ課題であると思います。
 学習面でも、授業時間だけではなく、寄宿舎に帰ってから宿題をやる自習時間がある環境で、超がつく少人数学級でありますが、成績が格段に上がることがないというのが現場の教員から聞いているところでございます。
 多くの子どもたちが喜んでいると聞いておりますが、例えば育児放棄、ネグレクトを疑うような事例もあると聞いております。育児をしたくないから、さざなみ学校に入れるというのは、あってはならないことであると思っております。
 2番目の課題として、やはりコストがあります。先日の総括質疑で、区の費用は幾らですかという問いに、特別支援学校費の7,348万円余のほか、区職員人件費4,130万円ですという答弁をいただきました。
 先日の質疑では、区費という答弁をいただきましたが、都費を含めた金額を教えていただきたいと思います。
◎水井 学務課長 区の非常勤職員8人の人件費を含めた運営経費が7,348万円余り。区職員の人件費が4,130万円程度。さらに、都費の教職員人件費、これは平均給与等による試算となりますけれども、およそ1億6,000万円ということで、合計いたしますと、年間約2億7,480万円でございます。
◆深川 委員 先日の答弁では、1人当たり約500万円程度と考えていたということですが、実際公としてかかっている費用は、今のご答弁で、2億7,480万円で、児童が28人でありますので、1人当たり約1,000万円ということになると思います。改善効果について、全く否定するわけにはいきませんが、そうは言っても、子ども1人に対して1,000万円をかけているというのは、かけ過ぎであると思っております。同じかけるのであれば、別のやり方もしっかりと検討するべきであると思います。
 では、肥満や虚弱の体質改善には実績があるということでございますが、どうしても残すということであれば、夏場の野辺山学園や冬場のとうぶを活用するということが考えられますが、いかがでしょうか。
◎水井 学務課長 館山さざなみ学校については、現在、管理職を構成員とする検討会を設置し、利用者増を図る方策と廃止した場合の対応の両面から、そのあり方について検討中でございます。
 検討項目のうち、児童生徒の健康教育のあり方も重要な課題と考えておりまして、議員ご提案の野辺山学園やとうぶを活用した健康教育事業の可能性についても、検討してまいりたいと考えております。
◆深川 委員 ぜひ、その点を含めて、今、管理職でという話がありましたので、多角的に考えていただいて、子どもたちの教育効果というのが当然第一でありますけれども、あわせてコストという部分も含めた検討を、力強く推進をお願いしたいと思っております。
 続いて、柔道をはじめとする武道の必修化についてお尋ねをさせていただきます。
 平成24年8月27日月曜日と28日火曜日の2日間、大田区教育委員会と大田区柔道会では協力して、中学校武道必修化に対する柔道実技指導の研修会を、今年オープンした大田区総合体育館サブアリーナで行いました。
 受講対象者は、区立中学校の体育科の教員を中心に各25人、合計50人ほどの参加者となりました。大田区には
区立中学校が28校ありますので、おおむね2名ずつ参加したということになると思います。
 今回の指導は、柔道の技術指導というよりも、中学校1年生の女子に、どういった形で指導したらよいかということを一番の中心テーマにして行われたと思います。つまり筋力が未発達の子どもを基礎に置くことにより、安全で楽しい内容にするべきであるというふうに考えるということであると思います。
 今回こういった大田区のスポーツ団体と教育委員会の連携についての経緯をお知らせいただきたいと思います。
◎小黒 指導課長 大田区柔道会との連携の経緯についてでございますけれども、学習指導要領の改訂により、中学校1、2年生の男女に武道が必修化されたことにより、実技指導の安全性に対して、不安を感じる声が少なからずございました。
 そうした中で、大田区柔道会から、より安全な柔道の指導に向けお手伝いをいただけるとの申し出をいただきました。その際、教育委員会では、柔道を指導する中学校の保健体育科の教員を対象に実技指導研修会の開催を予定しておりましたので、講師の派遣にご協力をいただくことといたしました。
 今後も柔道に限らず、大田区のスポーツ団体の協力を得ながら、学校の体育の充実を図ってまいりたいと考えております。
◆深川 委員 講師は、大田区柔道会の審議部長でつばさ総合高校の教諭であります竹内章六段に中心としてやっていただき、柔道会からサポートとして、私がお邪魔をさせていただきました。また、助手として、国士舘大学柔道部の佐藤君という3人の体制で指導をさせていただきました。また、区立中学校の教諭の中には、競技者としての経験を持つ先生もいらっしゃいましたので、あわせてご協力をいただいたということでございます。
 今回、この武道化に対して、何回かこの議会でも不安があるという話、それからマスコミ等でも不安であるという話が出ましたので、今回あえて、どういった指導をしたのかという内容について、詳細に触れたいと思っていります。
 今回の武道必修化をしたコンセプトは、日本人としての伝統文化に対する関心と、それを体験・経験させることであると思います。その点では、受け身や技だけでなく、礼法が重要であると思います、礼ですね。どの角度で足を開くのか、左右どちらの足から出るのかといったことを理論的に考察をいたしました。また、高校や大学、就職などの面接時においても、礼法を学んでおくことは重要であります。こういった背景にも踏み込んで、解説をしていただきました。指導される先生方にも、この点をよく理解していただきたいと思った次第であります。
 基礎的な話ですが、胴着をしっかりと着るということがけがの予防になるということ、教員が指輪やネックレス、時計などをして指導をしないということであります。
 次に、受け身であります。私も柔道を始めたときに、長座の姿勢という、足を伸ばした状態から後ろに倒れる、後方受け身というものを練習いたしました。
 私は男子校でしたし、中学校2年生でしたので、それが当たり前であると思いましたが。実は今回のテーマである中学校1年生の女子というキーワードに当てはめると、実はこれが正解ではありません。1人ではできないのが柔道であります。この受け身の練習から二人体制でしっかりと実施するということによりまして、お互いにお互いを尊重し合う、そして助けながらけいこをしていくというのが観点であります。
 まずは寝ただけの状態で手だけで受け身をとる練習。それから、手で受け身をとって、最後に首を持ち上げるということで、頸部の予防をするという部分で、首を守るということをする練習ですね。その後に長座の姿勢での練習ということです。
 この後蹲踞の姿勢という相撲取りが座る姿勢ですね。蹲踞の姿勢から後ろに倒れるというのが一般的なのですが、そこも頭を打たないように、2人で頭の後ろを押さえて後方に転がる練習。そしてその際足が着くと反動がつきやすいので、足を押さえるという、ステップを踏んでから、蹲踞の姿勢での後方受け身となるということでやっていくわけでございます。
 つまり普通の武道の授業でやる場合は、今申し上げたような6段階でやることを普通の部活、それから私も小学校の子どもたちを指導していましたが、そのときは2段階でやっている内容を6段階にするということで、より安全を重視するということがポイントであるということで、話をさせていただきました。
 そして、その後にさまざまなひざ立ちでの崩しや投げの練習というよりも、実質的な受け身の練習をする。投げる形をとりながら、受け身の練習をするという形のけいことなったわけであります。そういった形にすることによって、安全性の確保というのを一番の中心に置くことが重要であると思っております。
 また、今後の展開として、柔道の有段者による外部講習の活用や柔道経験者の補助教員としての活用ということも、課題であると思いました。
 このように、ちょっとあえて詳細に説明をさせていただきましたが、大田区の多くの研修内容を大田区民の皆様に、そして理事者や議会の方々にもご理解いただきたいと思って、詳細なる説明をさせていただきました。
 大田区の武道の必修化における教育委員会としての今後に向ける課題について、お知らせをいただきたいと思います。
◎小黒 指導課長 武道必修化における教育委員会としての課題といたしましては、特に中学校1、2年生の男女に武道の学習が必修化されたことが挙げられます。そのために、武道を女子においてもけがなく安全に学習できるよう、今回の実技研修会の内容を生かして、各中学校における指導計画上の安全面の再確認、教員の指導力向上、指導体制の充実を指導してまいります。
◆深川 委員 ありがとうございます。しっかりと連携をして、今回は柔道でしたが、ほかの武道もあわせて、うまく教育委員会と連携をしていただきたいと思っております。
 時間的には最後の質問になるかと思います。小中学生における食育と小児生活習慣病検診について、お尋ねをさせていただきます。
 生活習慣病として、旧来は成人病として呼ばれておりましたが、現在では生活習慣病と名称が変わり、大人だけでなく、小児を含めてと考えられております。日進月歩で食育や医療に関することも日々進歩しているわけであります。例えば動脈硬化学会の動脈
硬化性疾患予防ガイドライン2012年版に、肉の脂身・乳製品・卵黄の摂取を押さえ、魚類・大豆製品の摂取を増やす。1946年から全穀類・米の消費量は著明に減少し、牛乳・乳製品・肉類の消費量は著明に増加しており、食生活の欧米化が進められていると明記されております。
 その冊子の29ページに表11があり、その中で、過食を抑え、標準体重を維持する肉の脂身・乳製品・卵黄の摂取を抑え、魚類・大豆製品の摂取を増やす。野菜・果物・未精製穀類・海藻の摂取を増やすなどと例示をされております。
 例えば2010年に実施した東京都予防医学協会の小児生活習慣病予防検診では、小学校4年生男子の17%、女子の22%がLDL悪玉コレステロール値140ミリグラムデシリットルを超えて、高血圧症に罹患しています。また、1%の児童は、LDLが190を超えているとされております。また、2012年の東京都予防医学協会の小児習慣病検診の報告でも、一部こういった部分が課題であるという認識が示されているわけであります。このようなことから、大田区においても小児習慣病検診をするべきと考えますが、いかがでしょうか。
 また、牛乳等の脂質に関するものに関して、今すぐ禁止せよということではありませんが、区の教育委員会でできるということをしっかりと踏まえた上で、大田区の食育、つまり給食についての再検討をすべきと思いますが、いかがでしょうか。
◎水井 学務課長 食生活の欧米化に伴いまして、子どもの生活習慣病のリスクの増大が指摘されていることは、承知しております。
 区立小中学校における生活習慣病対策の取り組みといたしましては、機会を捉えて、個別に肥満の児童生徒及びその保護者に助言指導を行っているところでございます。
 生活習慣病検診については、その予防対策も含め、学校における健康教育のあり方の問題として、検討を進めてまいりたいと存じます。
 給食の栄養価については、学校給食法に基づく学校給食実施基準が定められておりまして、今後、国において議論が深められていく問題であると認識しております。
 なお、牛乳については、東京都医師会が、普通牛乳は成長に必要とされるカルシウム以外のビタミン類や成長因子の豊富な含有の点から、メリットが多いと考えられる。食事の脂肪が規制されるべきとすれば、牛乳以外の他の食品、ファーストフードやスナック菓子、揚げ物などから脂肪摂取をコントロールするほうが、より効果的と考えられるという見解を示しております。
◆深川 委員 今お話があったように、まだちょっといろいろと議論が続いているということが現実であると思います。ただ、そこら辺も含めてもう一度、今までの常識というのは本当に常識なのかということで、医学というものも進んでおりますので、しっかりと対応としていただきたいということを要望して、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

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