鹿だと思ったら人だった・・・ 誤射事故の法的構成(錯誤論)

「シカと間違えた」誤射で死亡させた疑い 自営業の男逮捕 北海道 海道警千歳署は21日、恵庭市の山林でシカ猟の最中に猟銃を誤射し、林野庁北海道森林管理局恵庭森林事務所の男性職員を死亡させたとして、業務上過失致死の疑いで札幌市の自営業、佐孝英司容疑者(49)を逮捕した。「シカと間違えて撃った」と、容疑を認めている。 https://www.sankei.com/affairs/news/181121/afr1811210006-n1.html 今回、教科書事例と言われる事件が発生してしまいました。 シカを駆除しようと猟に出たところ、シカだと思って撃ったら人だったというもので、これが事実であった場合はどのような判断がなされるのでしょうか? 客観的に人を撃って主観的には鹿を撃ったとしても、結果として殺したということは、殺人罪になると考えることが出来ます。 また、撃つという意思はあったが、人とは思っておらず、よって過失致死罪成立すると考えることもできます。 ではどのように考えるべきでしょうか? 結論から申せば業務上過失致死罪が成立します。 詳しく解説をしたいと思います。 日本の刑法において、故意犯処罰の原則というものがあります。 やろうと思ってやった行為について罪を問うが、そうではなくうっかりしてやった行為については罪を減らすというものです。 例えば、人を殺そうと思って殺した場合に殺人罪と言われることに疑問はないと思います。 しかし、車を運転していて飛び出してきた人をうっかりはねてしまったしまった人にも殺人罪といわれると疑問が生じると思います。 結果としての『死』ということは一緒ですが、その時に使う考え方つまりフィルターは『故意』です。 しかし亡くなった遺族、友人などからすれば許せない気持ちになることも理解ができます。 しかし、法というとフィルターを使う際には仕分けをして考えるべきと思います。 また今回の事例では猟という資格を持って反復継続していることから業務性が認められます。 よって業務上過失致死罪が成立すると考えます。 この考え方については一朝一夕理解できるものではないと思いますが、またちょっとずつ説明をしていきたいと思います。